島医者の離島日記 〜"あの先生"であったこと〜

島医者の経験をもとに家庭医療学を広めたい

〜第1章〜 2020.5 -嬉しい贈り物-

前回は、赴任後初めてのGWを通して、休日の過ごし方について話をしました。今回は、5月の初めに届いた"嬉しい贈り物"の話をします。

南大東島の流通

南大東島の流通は飛行機(1日2便)か船(週1回)であり、基本的には船で荷物が運ばれてきます。住んでいた感覚としてはゆうパックが最強(すぐに届く)です。Amazonで頼むと大体2-3週間で届きます。島内にはクロネコヤマト(といってもたった1人)があり、自宅まで運んでくれますが、佐川急便は島内にないため、港まで荷物をとりにいかなければなりません。

誕生日は踏んだり蹴ったりな1日でしたが、婚約者(現 妻)から誕生日プレゼントを含め、色々と贈り物が届きました。3月に婚約者と離れて暮らす前に結婚指輪を作成し、それが完成し届いたのです。

結婚指輪にテンションが上がってニヤけている

様々な"贈り物"

この写真を見た婚約者から『痩せたね』と言われました。それもそのはず、離島に赴任してから最大で9kgも体重が減りました。食事はきちんと摂っていたので、何が原因かと考えてみるとお酒を飲まなくなったことでした。何度も書いているように、島医者は24時間、365日オンコールのため、お酒を飲んだ時に『もし呼ばれたら』と考えるとお酒は飲めませんでした。割とお酒は好きな方で、赴任前に住んでいたのが石垣島だったこともあり、美味しい食べ物やお酒をかなり摂取していました。離島に赴任してからお酒を全く飲まなくなったところ、みるみるうちに体重が落ちていったのです。実は、私は30代にして少し血圧が高めでしたが、それも痩せたことで改善していきました。これは自分の実体験であると同時に、その後の患者指導でも役に立つことになります。

船からクレーンで荷下ろし。荷物以外に"人"も運びます。

このように愛のこもったプレゼントや体が健康になるという"贈り物"を受け取り、島民としての生活を過ごしていました。

次回はそんな中、また急患が発生し、離島独特の洗礼を受けることになります。その時の島医者の苦悩をお話しします。※事例は個人情報保護のため改変しております。